パスワードマネージャーとは、ユーザーが使用する多数のID・パスワードを一元的に保存・管理するためのツール(ソフトウェア)です。本記事ではパスワードマネージャーについて使い方や安全性について分かりやすく解説します。
目次
パスワードマネージャーは、たくさんのログイン情報を安全に管理できる「デジタルな金庫」のような存在です。必要なIDやパスワードをまとめて保管し、各サイトでの認証時に自動で入力などのサポートをしてくれます。
これらの機能により、ユーザーは非常に高い利便性を得られます。数多くのアカウント情報をひとつの「マスターパスワード」で安全に管理でき、IDやパスワードの入力の手間が省け、スムーズにログインが行えるようになります。
パスワードマネージャーの利用には、まず「マスターパスワード」を入力する必要があります。これは金庫の鍵を開けるような役割で、中の情報はAESなどの強力な暗号技術で守られています。製品によっては指紋や顔認証、PINコードでもパスワードマネージャーにアクセスが可能です。認証方法の保存方法もローカル保存かクラウド同期のどちらかを選べます。
以下に、パスワードマネージャーのメリットについて、安全性(セキュリティ)・利便性・管理効率の3つの観点からご紹介します。
セキュリティ向上
利便性の向上
管理効率の向上
パスワードマネージャーの主なリスクと、その対策
パスワードマネージャーは非常に便利で安全性も高いツールですが、完全ではありません。
使用にあたっては、いくつかのリスク(弱点・注意点)を理解しておくことが重要です。
マスターパスワードの忘却:パスワードマネージャーを開く鍵を忘れると、すべてのデータにアクセスできなくなる可能性ある。
(対策)マスターパスワードは紙に書いて金庫などで物理的に保存しておく。回復オプション設定があるなら利用する。
マルウェア感染:端末がウイルスやマルウェアに感染していると、パスワードが盗まれる恐れがある。
(対策)OSやセキュリティソフトを常に最新にする。怪しいリンク・添付ファイルは開かない。
クラウドへの依存:クラウド同期型のマネージャーでは、クラウドのアカウントへのハッキングがリスクになる。
(対策)強力なマスターパスワードと2段階認証は必須。ゼロナレッジ設計のサービスを選ぶ。
一元管理の危険性:万が一、マネージャーが突破されると全てのアカウント情報が一気に漏れる。
(対策)2段階認証でログインを守る。重要なアカウントは別管理も検討。
偽アプリ・偽拡張機能の存在:偽物のパスワードマネージャー(フィッシングアプリなど)に騙される可能性がある。
(対策)公式サイトや正規のアプリストア経由でのみインストールする。
バックアップの欠如:データのバックアップを取っていないと、デバイスの故障や紛失時に復元できない。
(対策)エクスポート機能を使って暗号化バックアップを定期的に取る。(安全な場所に保存)
サービス提供側の脆弱性:過去にLastPassなどでデータ漏洩が発生した例がある。
(対策)保存された情報が暗号化されていれば漏洩しても守られる。製品選びが重要。
パスワードマネージャーは、現代のネット社会において欠かせない存在となっています。強固なパスワードの生成、安全な保存、自動入力の機能を活用することで、セキュリティと利便性の両方を高められます。ただし、信頼性の高いサービスを選び、マスターパスワードの管理を徹底することが大前提です。適切に利用すれば、わずらわしいパスワード管理から解放されます。
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