Skip to content
Image of VPN Service
7 min read

VPNとは?  VPNサービスは何を基準に選べばいい? VPNの種類やサービス選定のセキュリティ要件と評価ポイントについて分かりやすく解説

VPNとは?
VPNサービスは何を基準に選べばいい?
VPNの種類やサービス選定のセキュリティ要件と評価ポイントについて分かりやすく解説

VPN(Virtual Private Network:仮想専用線)とは、インターネット上に安全な通信経路(トンネル)を作る技術です。本記事ではVPNサービス選定のセキュリティ要件と評価ポイントについて、分かりやすく解説します。

目次

 

まず、VPNとは

VPN(Virtual Private Network:仮想専用線)は、インターネット上に安全な通信経路(トンネル)を構築し、離れた場所同士でもあたかも同じネットワーク内にいるかのような安全な通信を実現する技術です。

VPNの基本的な仕組み

暗号化(Encryption):

通信内容を暗号化して、第三者が盗み見ても内容を解読できないようにします。

トンネリング(Tunneling):

通信データを「仮想のトンネル」に通すことで、外部から見えない状態でやり取りします。

認証(Authentication):

通信相手の正当性を確認します。ユーザー名・パスワード、証明書、MFA(多要素認証)などを用います。

 

VPNの主な利用目的

  • 通信の安全化:公衆Wi-Fiなど危険なネットワークでも、安全に通信を行うため。
  • リモートアクセス:自宅や出張先から会社のネットワークに安全に接続する。
  • プライバシー保護:自分のIPアドレスを隠し、アクセス元を特定されにくくする。
  • 地理的制限の回避:海外から日本向けサービスなど、地域制限を回避して利用する。

 

VPNの種類

VPNは、利用する回線や通信経路の違いにより、大きく4つのタイプに分類されます。

インターネットVPN:

インターネットを利用し、通信を暗号化して安全性を高める方式です。低コストで導入しやすい反面、インターネットを経由するため通信品質やセキュリティ面でのリスクも考慮が必要です。

IP-VPN:

通信事業者が提供する閉域IPネットワーク(公衆には公開されていない専用のネットワーク)を利用する方式です。専用回線のため通信品質やセキュリティが高い反面、導入コストは比較的高額になります。

エントリーVPN:

IP-VPNと同様に通信事業者が提供する閉域IPネットワークを利用しますが、コストを抑えながらも一定の通信品質やセキュリティを確保できます。

広域イーサネット:

VPNとは厳密には異なるものの、同様のサービスを提供しています。通信事業者が提供する閉域型IPネットワークを利用し、離れた拠点間でイーサネット通信を接続します。高い通信品質とセキュリティを実現できる点が特徴ですが、その分コストが高くなる点が課題です。

 

VPNサービスを選定する時のセキュリティ要件と評価ポイント

VPNサービスを選定する時のセキュリティ要件と評価ポイントは、利用目的(個人利用か企業利用など)に応じて多少異なりますが、共通して重視すべき基準があります。以下に整理します。

1.暗号化方式

要件:強固な暗号化アルゴリズムを採用していること。

評価ポイント:

  • AES-256などの現行標準暗号を採用しているか
  • 通信プロトコル(OpenVPN、WireGuard、IKEv2/IPSecなど)の安全性

 

2.認証方式

要件:ユーザー認証が安全に実装されていること。

評価ポイント:

  • 多要素認証(MFA)の対応
  • 証明書ベースの認証可否(特に企業利用時)

 

3.ログ管理(No-Logポリシー)

要件:通信内容や接続履歴を記録しない、または最小限に留める。

評価ポイント:

  • 「No-Log(ログ非保持)」ポリシーの明確さ
  • 第三者による監査実績の有無

 

4.DNSリーク・IPv6リーク対策

要件:VPN接続時に実際のIPアドレスやDNSクエリが漏れない

評価ポイント:

  • DNSリーク防止機能
  • IPv6サポート・リーク防止設定

 

5.キルスイッチ機能

要件:VPN切断時に自動的に通信を遮断できる。

評価ポイント:

  • 自動ブロック機能の有無
  • OSレベルでの動作安定性

 

6.サーバーの信頼性・配置国の制度

要件:サーバーが信頼できる法制度下にあり、監視リスクが低いこと。

評価ポイント:

  • サーバー所在地の法的環境やインターネットの制度を確認
  • 通信の監視リスクが高い国は控える
  • 自社保有サーバーか、レンタルサーバーか

 

7.アップデート・脆弱性対応

要件:セキュリティパッチが迅速に適用されること。

評価ポイント:

  • 開発・運用体制の透明性
  • 定期的な更新履歴の公開

 

8.接続安定性とパフォーマンス

要件:セキュリティを維持しつつ高速かつ安定していること。

評価ポイント:

  • 通信速度と遅延の少なさ
  • 接続プロトコル選択の柔軟性

 

9.サポート体制

要件:トラブル時の対応が迅速かつ信頼できること。

評価ポイント:

  • 24時間サポートの有無
  • セキュリティインシデント発生時の対応方針

 

VPNに限らず、サイバーセキュリティ分野全体において、高品質で高いセキュリティを備えたサービスほど、どうしてもコストが高くなる傾向があります。VPNサービスを選ぶ際は、記事で紹介したセキュリティ要件や評価ポイントだけでなく、自社の規模や利用目的、通信範囲なども含めて総合的に検討することが大切です。

 

リモートワーク時のVPN設定については、以下の記事もあわせてご覧ください。

リモートワーク環境では普通のネットワーク接続はNG? VPNによる安全な接続とは? リモートワーク環境の構築について分かりやすく解説
https://cybersecurity.gftd.co.jp/ja/blog/remort-work

 

弊社へのお問い合わせは、下記の著者画像横のメールアイコンから

日本で最も信頼できるサイバーセキュリティの情報を発信します。